てぃーだブログ › フルムンジョーグー › ボクシング世界王者 › 「バター」のボクシング
↓ フルムン過去記事 PICK UP ↓

Mil MascarasSonhouse広沢虎造Aretha Franklin南沙織Whipped Creamブルース・リー
1975海洋博覧会1972Bueno ChickenTESTAOrion Beer7up!!!!!!!コカコーラ電飾看板
CB450絵本「じょうようしゃ」Seeburg Jukebox SX100田村公衆電話機ナショナル掃除機青いチリプル半魚人とアナコンダAlfred E. Neuman

2010年05月31日

「バター」のボクシング

こんばんは。
非常に長い期間放置したせいでブログが死にかけていますが、僕はどうにか生きています(^^;)
今月(5月)は一度もブログ更新をしていませんでした。
毎月最低でも1回は更新したいと思っているので、今回は5月終了5分前のギリギリ駆け込み更新となりました(^^;)

お詫びにこの動画でも。
・・・またボクシングですが(--;)

困ったときのボクシング頼みということでご了承下さい。

「Jose Napoles TKO 1 Alfredo Urbina II 」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=j5oVr4jN7Ek&hl=ja_JP&fs=1&


上の動画でエネルギッシュなファイトを見せる黒いトランクスの男は、1970年代の世界ウェルター級王者ホセ・ナポレス(Jose Napoles)。
僕の大好きなボクサーの一人です。(大好きなボクサーがたくさんいるのも困りものですが・・・^^;)

この試合のナポレスは最初からエンジン全開で、相手の攻撃をものともせず力強い左右フルスイングをビシバシ決めています。


「バター」のボクシング右の画像(※1)が本人のファイティングポーズです。見ての通りの鍛え上げられた肉体に不敵な面構えの持ち主ですが、目がキョロっとしていてどこか憎めない感じもします。

ナポレスはキューバ出身の黒人ボクサーで、キューバ革命後にメキシコへ渡ってから大活躍した遅咲きの名王者です。
祖国では才能に恵まれながらも波乱含みの半生を過ごしましたが、新天地で見事に運が開花し、1969年(29歳)から75年(35歳)まで王座に君臨しました。


テテン、テテン、テテン・・・と独特の軽いリズムを刻みながら相手に迫り、少しでも相手のスキを見つけると多角的で力強い左右コンビネーションブローを叩き込んでいます。

その多様なパンチの中に、下手投げのように腕を斜め後方からグルンと回してコブシを下から上に突き上げるような、これまた一種独特のハードパンチが含まれています。
この、アッパーカットとも少し違うオープン気味のフルスイングは「ボロパンチ(Bolo Punch)」と呼ばれており、ナポレスと同じキューバ出身で1950年代のウェルターグレイトであるキッド・ギャビラン(Kid Gavilan)がその考案者として知られています。
キューバ特産のサトウキビを切り出して収穫する際のボロ(現地のナタのような道具)の使い方からヒントを得て考案されたそうです。
ナポレスの少年時代、すでに国民的英雄であったギャビランのワイルドで鋭いスイングにあこがれて、ナポレス自身がこのパンチを習得したことは容易に想像できます。

また、ナポレスだけでなく80年代同級王者(最終的に5階級王者)のシュガー・レイ・レナードも、チャンスでたたみかける際にボロパンチを使用していました。
動作が大きく相手に見切られやすい「テレフォン・パンチ」のたぐいかもしれませんが、一方で見た目が華やかであり観客にもアピール度が高く、何よりも相手に効きそうなパンチです。使い方によっては相手を幻惑させる効果もありそうです。

偶然かもしれませんが、上記3人ともウェルター級の名王者。そしてウェルター&ミドルの2階級王者シュガー・レイ・ロビンソンもこのボロパンチを使用していたことを考えると、ボロパンチはまさしくウェルター級を彩る黄金のスイングだと言えます。(少々大げさですが^^;)


思わずボロパンチの説明が長くなってしまいましたが、このパンチをはじめジャブ・ストレート・フック・アッパーなど様々なパンチを使い分けるカラフルな攻撃。その一方でネコ科のような動物的カンを随所で働かせて相手の攻撃を紙一重でかわす先天的ディフェンス技術。これらを併せ持っているのがナポレスです。

天が二物を与えたような素晴らしい攻撃と防御が相互にかみ合い、試合の全体的流れの中で最高峰のボクシングを展開するナポレスですが、そのよどみない動きと攻防兼備のなめらかなボクシングスタイルからついたあだ名が「マンテキーヤ(Mantequilla)」。
スペイン語でバターのことです。

個人的には、黒人にしては比較的胴長のイカツイ体つき、少々ぎこちなくも見えるリズムの取り方、多少リキんだようにも見えるパンチの出し方などから、「バター」と言うにはちょっとゴツすぎるかなーとも思ったりします。
しかし、あの怒濤の攻撃や攻防一体型のすばらしいボクシングが出始めた途端に、とろけるようなバターと化します。
相手の攻撃を紙一重でかわした瞬間に攻撃に転じる姿、相手の動きに合わせて目まぐるしく攻防を出し入れする様子は、ホント見ていてホレボレします。思わず「マンテキ~~ヤ!!」と叫びたくなります(^^;)

そういえば、人類が全宇宙に誇るべき一大ボクサーである前出のレイ・ロビンソン(ちょっと大げさな表現ですが^^;)も、その完璧なボクシングに対してついたあだ名が「シュガー」(砂糖)でした。
ある記者がロビンソンの試合を見て思わず出た「スウィートな(すばらしい)ボクサーだ」というセリフから、「砂糖のようにスウィート(Sweet as Sugar)」という表現に転じてシュガー・レイ・ロビンソンと呼ばれるようになったエピソードが有名です。

ボクシング界や格闘界では「死刑執行人(Executioner)」や「狙撃手(Hit Man)」、「破壊者(Destroyer)」など、いかにも強そうなあだ名が多いですが、そうじゃないあだ名の方がかえってそのボクサーのスゴさを伝えるような気がします。上記のシュガー・レイ・ロビンソンや今回の主人公ホセ・マンテキーヤ・ナポレスがまさしくそうです。


ところで、これもまた僕の大好きなボクサーの一人である世界フライ級王者 大場政夫は、ナポレスのボクシングを実際に見て、「ナポレスが出すパンチの全てがカウンターになっている」と話したそうです。
大場のボクサーとしての目線で、ナポレスの防御から攻撃へと瞬時に移行する高等技術を的確にとらえた表現だと思います。
当時の現役世界王者が同時期の他国の世界王者を評価したコメントとしても非常に興味深いです。


それと、これは記憶が曖昧ですが、ある雑誌でこんなエピソードが紹介されていました。
世界Jr.フライ級王者 具志堅用高の特徴的なアフロヘアーは、当時(1975年頃)最強を誇っていたナポレスの髪型を参考にしたというのです。
両者の雰囲気はちょっと違うような感じもしますが、確かに、世界タイトル挑戦時の具志堅のアフロは短めで、ややナポレスに似ています。具志堅の全盛時の丸いアフロは70年代ディスコブームと相まって、エスカレートしたものだと思われます(^^;)
ただ、念のためこのエピソードについてネットで調べてみましたが、検索をしてもそのような内容の記事にヒットしなかったので、もしかすると僕の勘違いかもしれません(--;)

いずれにしても、70年代当時のナポレスは何かと話題に上るボクサーであり、世界中のボクサーの注目の的でした。
日本のリングにも2度登場し、その完璧なボクシング技術を日本のボクシング関係者やファンに披露しています。


そんなナポレスですが、実は心のやさしい人物でもあります。
死闘を演じたアーニー・ロペス戦では、試合後、精根尽き果ててマットに横たわるロペスの頭部をやさしく抱きかかえるナポレスの姿がありました。この様子は写真にも残されています。

また、世界戦ではメキシコ名物のソンブレロをかぶり、キューバ人でありながらメキシコの代表として戦う勇敢な男でもありました。

キャリア後半は、歴戦でグチャグチャになったまぶたの古傷が開いて大流血戦に発展することもしばしばあり、時には無念の敗北を喫することもありましたが、それらを乗り越えて世界戦の勝利を15回も積み重ねました。

まさに男があこがれる男だと言えます。


ここでもう一度ホセ・ナポレスのボクシングをダイジェスト版でご覧ください。上で紹介したアルフレッド・アービーナ戦をはじめ、戴冠試合となったカーティス・コークス戦、激闘のアーニー・ロペス戦、ビリー・バッカスとのリベンジ戦など合計12試合が収録されています。
「バター」のすばらしいボクシングを堪能できると思います。

「Jose Napoles」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=GR-kuFNSXrA



ウィキペディアにもナポレスの記事が掲載されています。その激動の人生やボクシングスタイルが詳しく書かれているので、興味のある方はぜひご一読を。

ホセ・ナポレス 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%82%BB%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%9D%E3%83%AC%E3%82%B9


しかし最近の日本では、こういう本物のボクサーとは正反対の不適格な人間が世界王者を名乗ることもあって、僕自身ボクシングに対する観戦欲が薄れてきています。

・・・また思わずグチっちゃいましたが(--;)

その一方で、ナポレスやギャビラン、ロビンソン、レナードその他リアルファイター達の激闘をyoutube動画でいつでも見ることができる幸せも感じ、またボクシングへの興味が復活しつつある今日この頃です。


※1 画像出典:
http://www.cyberboxingzone.com/images/napoles-jose-111.jpg


↓「にほんブログ村」のアクセスランキングに参加中!どちらかに応援クリックよろしくです。↓
にほんブログ村 インテリアブログ アンティーク・レトロインテリアへにほんブログ村 音楽ブログ 懐メロ洋楽へにほんブログ村 コレクションブログ アート・アンティークへ

※ 動画・画像・リンク先等の提示は、あくまでも紹介の範囲内という認識で行っています。不都合が生じる恐れがあればすぐに削除しますので、お手数ですがご指摘のほど、よろしくお願いします。(文中敬称略)


タグ :ボクシング

同じカテゴリー(ボクシング世界王者)の記事
スモーキン★ジョー
スモーキン★ジョー(2011-11-10 12:05)

おかげさまでm(__)m
おかげさまでm(__)m(2011-07-02 18:01)

父の日
父の日(2011-06-19 19:09)

ハンマーパンチ
ハンマーパンチ(2009-12-25 01:08)

おかげさまでm(__)m
おかげさまでm(__)m(2009-08-01 23:59)


この記事へのコメント
おい!信ちゃん~更新がたらんぜよ!
生きてるか~^^

ボクシングは分からん?アリぐらいか・・・・。
せめて、キックボクシングにしてくれな~い!

信ちゃんのブログは重すぎて俺のパソコンがブ~ンブ~ンうなって
います! (・・;)
Posted by 修繕家(しゅうぜんや)修繕家(しゅうぜんや) at 2010年06月02日 22:45
修繕家 さんへ

返事が遅れて大変申し訳ないです。
いつも当ブログに来ていただいてありがとうございます。
とりあえず生きてます(^^;)

キックボクシング、僕も大好きなんですけど、記事にするほどの材料を持ち合わせていないので、なかなか難しいですね。
材料が出揃ったときにでも、藤原敏男か島三雄あたりの全日本キック勢を取り上げてみたいです。気長にお待ちいただけるとありがたいです。


それと、確かに、このブログが重いですよね(^^;;)
ヘンな画像や動画がたくさんくっついてるので重くなっていると思います(^^;;;)
いつもすみません。
ちなみに、僕のパソコンもブ~ンブ~ンうなってます(笑)。

また今後ともよろしくお願いしますm(__)m
Posted by 真一真一 at 2010年06月30日 23:43
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。