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2007年10月05日

023 虎造と石松(中編)

こんばんは。
前回記事「虎造と石松(前編)」から始まった広沢虎造シリーズの続き(中編)です。必死になって記事を作成していたら、日付が替わってました(--;)

023 虎造と石松(中編)繰り返しになりますが、左の写真は広沢虎造の「浪曲 森の石松 代参の巻 船中の巻」の10インチLP盤です。
本人の写真と図柄と手書き文字がイイ味出してます。比較的若い頃の録音でしょうか。他の録音と比べると、声質が若干軽く、ストーリーも比較的シンプルです。


ところで、浪曲師や落語家の場合、当然十八番というか、お得意の演目があるわけですが、虎造の代表作は「清水次郎長伝」、「清水次郎長外伝」、「国定忠治」、「雷電爲右エ門」等だそうです。その中でも「清水次郎長外伝」と「国定忠治」については、なんと100円ショップダイソーで売られています!
以下、ダイソーの広沢虎造CDタイトルです。

・国定忠治シリーズ全5巻 「名月赤城山」、「忠治ふたり」、「赤城の血煙」、「火の車お萬」、「山形屋乗り込み/ 唐丸籠破り」
・清水次郎長外伝シリーズ全5巻 「勝五郎の義心/ お蝶の焼香場」、「石松の金比羅代参/ 石松三十石船道中」、「石松と見受山鎌太郎/ 石松と都鳥一家」、「石松と小松村七五郎/ 閻魔堂の騙し討ち/ お民の度胸」、「石松の最期/ 追分三五朗/ 石松の仇討ち」
・浪曲名人選 広沢虎造「本座村為五郎(前・後編)」 ※石松関連です。

全部揃えても1,100円(笑)。ヤクザもの時代劇ですが、笑いあり涙ありの11本、これはお買い得です。浪曲の中でも聴きやすい方だと思います。この機会に揃えてみてはいかがでしょう? 僕は別にダイソーのセールスマンではありませんが、超オススメです! もし気に入らなければこちらで買い取ります(^^)
ちなみに僕はある大切な人からプレゼントしてもらったので全巻揃えることができました。

・・・まあ、興味のない人にはどうでも良いことですが・・・(^^;)

さて、本アルバムに収録されている演目の大まかなあらすじを紹介しておきましょう。数ある虎造の演目の中でも特に人気があります。

「代参の巻」(石松の金比羅代参)あらすじ
次郎長が仇討ち達成後のある日、子分の石松にあるお願いごとをする。それは仇討ちで使用した刀を、仇討ち前にお参りした讃岐の金比羅様に奉納するということである。ところが、次郎長からは、「旅の四百里(期間にして三か月)の間は酒を呑んではならない」という条件も同時に示された。何よりも酒が大好きな石松はこの話をきっぱりと断る。ここで次郎長と石松の間に険悪な雰囲気が漂う。そのとき、次郎長の子分の一人である大政が颯爽と現れ、石松をなだめてその場をまるくおさめようとするが・・・。

「船中の巻」(石松三十石船道中)あらすじ
無事、金比羅様への代参を済ませた石松は、帰路の途中、川を渡るために三十石船に乗る。親分に内緒で酒を呑んでいる石松の横で、船客がヤクザものの世間話を始めた。話はエスカレートして、「東海道で一番強いのは誰か?」という話になったが、この話の輪に飛び込んできた江戸・神田出身の若者が「清水港うど町に住む山本長五郎、通称清水次郎長!これが街道一の親分よぉ!!」と啖呵を切った。当然これを聞いていた石松は大喜び。石松はこの若者を呼び止め、さらに詳しく話を聞くことにしたが・・・。

上記の二演目とも、石松と話し相手とのやりとりが笑えます。馬鹿正直者の石松が巻き起こす騒動を、大げさに演じる虎造の話芸が冴えに冴え渡ります。登場人物全員を虎造一人で演じているとはとても思えません。バックの三味線(琴?)の演奏と女性の掛け声も効果的です。

僕の調べた範囲では、現在のところYouTubeでは残念ながら虎造自身の動画がありません(一応虎造の声だけが入っている動画はありますが、次回紹介したいと思います)。
そこで、代わりと言っては何ですが、ダイソーシリーズ「石松三十石船道中」の最終盤のやりとりを再現します。(一部省略、筆者追加変更等あり)


~三十石船の船上にて、石松と船客とのやりとり~
石松の「清水一家で一番強い者は誰だ」という問いに対して、江戸・神田出身の若者(船客)が答える。自分の名前が出るものと期待していた石松は、順番良く聞いていくが、十六番目になってもなかなか「遠州森の石松」の名前が出てこない。そこで石松はしびれを切らしてしまう。
ちなみに、その十六人とは、大政、小政、大瀬半五郎、増川仙右衛門、法印大五郎、追分三五郎、尾張の大野の鶴吉、尾張の桶屋の吉五郎、三保の松五郎、問屋場の大熊、鳥羽熊、豚松、伊達の五郎、石屋の重吉、お相撲綱、滑栗初五郎。

石松 :お前ェ、詳しいように見えるがあんまり詳しくねえな。
    次郎長の子分で肝心なのを一人忘れてやしませんか?ってんだ!!
    この船が伏見に着くまででいいから、
    胸に手ェあてて良~く考えてくれ(--;) ・・・ねえオイ(--;)
船客 :泣いたってしょうがねえな。お前さんな。
 -中略-
石松 :もっと強いのがあるでしょ(--;) 清水一家で一番強いのが、
    特別強いのがあるんだよ(--;;)
    お前さんね、気を落ち着けて考えてくれ。
    もう何事も心配しないで・・・。
船客 :心配なんかしてやいねぇよ。
    どう考えたって誰に言わせたって、
    清水一家で一番で強いと言やぁ、
    大政に小政、大瀬半五郎、遠州森のい・・・。
二人 :・・・えっ?
船客 :大政に小政、大瀬半五郎、遠州森のい・・・。
二人 :・・・えっ?
船客 :・・・森の石松・・・
    うわぁ~!客人すまねェ、イの一番に言わなきゃならない、
    清水一家で一番強いのを一人忘れていたよ!
石松 :へ~、誰だいその一番強いってぇのは。
船客 :こりゃあ強い、大政だって小政だってかなわねえ!
    清水一家で離れて強い!!
    遠州森の生まれだぁ!!!
石松 :へえ、面白くなってきたなこりゃあ。
 -中略-
石松 :誰が一番強い?
船客 :こりゃあ強い、遠州森の福田屋という宿屋の倅だ!
石松 :なるほどぉ。
 -中略-
船客 :森の石松ってんだい。これが一番強いやい!!
石松 :飲みねぇ、飲みねぇ、オゥ飲みねぇ、オホ、寿司を食いねぇ寿司を(笑)!
    もっとこっちへ寄んねぇ。
    江戸っ子だってねぇ(笑)。
船客 :神田の生まれだい(--;)
石松 :そうだってなぁ! そんなに何かい、その石松は強いかい?
船客 :強いかいなんてものは、こんなもんじゃないよ。
    神武この方、バクチ打ちの数ある中に、
    強いと言ったら、石松っつぁんが日本一でしょうなぁ!!
石松 :お前ェ小遣いやろうか?・・・えっ?あんのかい。そうかい。
    そんなに強いかい?
船客 :強いったって、あんな強いのいないよ。
石松 :そう?(笑)
船客 :ええ!
    だけど、あいつは人間が馬鹿だからね!
石松 :いやな野郎だね・・・。こん畜生、上げたり下げたりしてよ。
    誰が馬鹿だい?(怒)
船客 :え?
石松 :誰が馬鹿だい?(怒)
船客 :石松が。
石松 :清水一家の森の石松は馬鹿か。
船客 :馬鹿ったって、東海道で一番馬鹿なんだ。あいつは。
    だからお前さん、東海道をゆっくり歩いてごらんなさい。
    あいつの噂で大変。
    この頃小さな娘がね、子守唄に歌ってますよ。
石松 :何を?
船客 :石松っつぁんのことを。
石松 :子守唄?
船客 :ええ。
石松 :へぇー、俺ぁ聞いたことはないが、お前ェその子守唄を知ってるか?
船客 :わっしゃ知ってますよ。
石松 :うん、やってみな。
船客 :へ?
石松 :やってみな。
船客 :何を?
石松 :子守唄。
船客 :ええ、やってみましょう!

(出た!虎造節!!)
♪お茶の香りの東海道 清水一家の名物男♪
♪遠州森の石松は シラフの時は良いけれど♪
♪お酒飲んだら乱暴者よ 喧嘩早いが玉にキズ♪
♪馬鹿は死なな~きゃ~ なおらな~いぃぃ♪

船客 :石松って奴ぁ、ほんとにッ馬鹿だからねぇ、あいつは。
石松 :畜生、ガッカリさせやがって、この野郎!
    あ~あ、小遣いやんなくてよかったよ、こりゃ~。
  ・
  ・
  ・
  ・
謎の男 :おいおいおい、そこのお二人さんよ。
二人 :何だ?
謎の男 :石松と言やぁ、
      肝心なのをもう一人忘れてやしませんか?ってんだよ!
二人 :誰だ、お前ェは・・・?
謎の男 :俺の名は・・・・・・・


♪ちょうど時間となりました♪ 
♪チョと一息願いまして♪ 
♪またの更新とお預かりィ~♪


「謎の男」って誰?(笑)
ということで、続きはまた次回!!
「虎造と石松(後編)」へどうぞ!!!
(文中敬称略)



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Posted by 真一 at 01:45│Comments(0)日本
 
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