2008年08月07日
NO NUCLEAR WAR


こんにちは。昨日8月6日は広島原爆忌、あさって8月9日は長崎原爆忌、そして8月15日は終戦記念日ということで、今日はこのアルバムを紹介したいと思います。今回はレコード盤ではなく手持ちCDのスキャン画像でご了承ください。
記事トップに掲載した画像は、ルーツレゲエの偉大なるメッセンジャー、ピーター・トッシュの1987年のアルバム「NO NUCLEAR WAR (HOLOCAUST) 」。表ジャケット(上画像)と裏(下画像)を同時に掲載してみました。
タイトル通り核戦争・大量殺戮反対を訴えたジャケットデザインは、核弾頭とキノコ雲に包まれた地球をバックに ガスマスクを着けたピーターが両手を広げて構えたものです。
少々しらけた現代の目で見ると、すごく大げさで一見ギャグっぽく写るかもしれませんが、じっくり眺めてみると非常に緊張感があってこちらに迫ってくるイラストです。
アルバム中の各曲は、ピーター特有のエモーショナルな歌声による強烈なメッセージソングが主体で、どれもルーツ・レゲエに80年代の味付けが施された曲調になっています。
このアルバムがリリースされた1980年代中盤、ジャマイカのミュージックシーンではすでにスレンテンやスタラグ、プナニーをはじめとする強力リズムトラックのダンスホールレゲエに移行していました。
当時の状況からすると、このアルバム「NO NUCLEAR WAR」が時代遅れのように写ったのも仕方のないことかもしれません。
しかし、その頃のダンスホールナンバーを今聴いてみると、そのほとんどがチープで貧弱に聴こえてしまいます。
一方、80年代中盤のチープソング群の対極にあるこのアルバムは、時代を経ても色褪せず現代人に鋭く迫ります。
この世に争いごとがある限り、ピーター・トッシュの言葉や音楽は凡百のヒット曲を凌駕し、永遠に生き続けると思います。
収録曲では核兵器へのダイレクトなプロテストソング「No Nuclear War」と、既出曲「Apartheid(アパルトヘイト)」のセルフリメイクで より一層パワーアップした「Fight Apartheid(アパルトヘイトと戦う)」がオススメです。
特に後者の曲はオリジナルの噛み締めるような曲調もいいですが、リメイク版での大きな高揚感がすばらしいです。
ご存知のとおりアパルトヘイトは1994年に撤廃されましたが、世界各地ではいまだに人種差別や生活格差が根強く存在します。一度に数十万の人間を皆殺しにする核兵器や原子力開発に至っては、その脅威が年々増加し非常に危険な状態が続いています。
また、自分達の主張の正当化やゴリ押しを進め、いろんな意味で傍若無人な殺戮行為を実行する(実行させる)輩も世界中に多数存在しています。
この輩どもは、人の見えないところで真っ黒な冨を勝ち取り、常に民衆をあざ笑っています。
ピーターの一連のメッセージは20年以上経過したこの現代にこそ当てはまると思います。
さて、下に示したHMVのサイトでこのアルバム「NO NUCLEARWAR」の全曲が試聴できます。ぜひ聴いてみてください。
「Peter Tosh / No Nuclear War (Remastered)」
URL: http://www.hmv.co.jp/product/detail/552310
最後に、アルバムタイトル曲「No Nuclear War」のYouTube動画です。
核兵器のキノコ雲のスライドショーにのせて曲が進行します。
涙が出る動画です。リンク先をどうぞ。
「Peter Tosh - No Nuclear War」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=Tr7_DE287Kw
大切な家族や友人、愛する人を不幸のどん底に落とす核の使用と理不尽な大量虐殺を許してはなりません。
(2011.08.07、2021.08.15内容一部修正)
※ 動画・画像・リンク先等の提示は、あくまでも紹介の範囲内という認識で行っています。不都合が生じる恐れがあればすぐに削除しますので、お手数ですがご指摘のほど、よろしくお願いします。(文中敬称略)
Posted by 真一 at 17:29│Comments(0)
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