乗用車世界一周(前編)

真一

2008年10月04日 19:48

こんにちは~~~。
前回記事の予告どおり、今日は車の絵本のお話です。

先日久しぶりに家の本棚を物色していると、左の画像の絵本が出てきました。僕が幼い頃読んだ「ひかりのくに愛児の絵本⑲ じょうようしゃ(乗用車)」です。
ボロボロの状態で、残念ながら後ろの数ページが欠落しています。そのため本の詳細データがまったく分かりません。絵の雰囲気や車のデザインなどから推測すると、たぶん1971年(昭和46年)前後のものだと思われます。

本の大きさはB5版で、ページを開くとB4版になります。子供にとってはかなりの迫力でしょう。


「おぉぉ、懐かしいな~」と思いながら久しぶりにページを開いてみると、その完成度の高さにビックリ。

当然のことですが、社会の厳しさも分からない子供の頃に読むのと、ある程度挫折を味わった大人になってから読むのは印象がぜんぜん違いますね(^^;)

当時は気づきませんでしたが、その描写力はかなりのものだと思います。自動車はもちろんのこと、他の乗り物や風景、人物に至るまで形や質感、状況を再現しつつ独特のセンスで丁寧に描きこまれています。特に周りの風景はバラエティーに富んでいて、まるで海外旅行に行った気分にさせてくれます。
それと、1枚の絵の中に、物語というかメッセージが読み取れるのも興味深いです。子供たち相手でも、一切手抜きなしです。

想像力を膨らませてくれる絵の数々にしばし見入りました。



それでは、絵本の中身を見てみましょう。 ↓



まず、1台目はキャデラック フリートウッド クーペ(Cadillac Fleetwood Coupe)です。
いきなりデラックスなアメ車の登場です。車が長すぎるので、絵の枠の中に入れるのにかなり苦労したと思います(--;)
一応、この絵では昼間の家族旅行の設定になっていますが、むしろゴージャスな夜のネオン街が合いそうです。

たまに思うのですが、キャデラックやリンカーンとかのアメ車って、周囲の空気をメチャメチャにするほどの大きさとド派手な存在感がありますよね。何というか、淡い色彩の水彩画の上から強引に原色のペンキで塗りつぶすような乱暴さというか・・・(--;)

ところが、この絵をしばらく見ていると気づくのが、そのキャデラックの存在感の薄さです。一般的なアメリカ白人と同様の(^^;)、あの周囲を威圧するような圧倒的な大きさが感じられず、少し弱々しく見えます。これが逆におもしろかったりしますが・・・。
その原因は、車を薄っぺらくして下方に配置した構図と、電車や木が大きく描かれた大味な背景にあると思います。
もちろん、配置については子供が見やすいように車を下げたという考え方もあるかもしれませんが、ひょっとすると、そこに作者(画家)の意図が入っていて、アメ車をわざと小さく見せるように描いたと考えるのはどうでしょうか。仮にそうだとしたら、すごく興味深いことだと思います。みなさんはどのように感じますか?

・・・それでも一生に一度ぐらいは乗ってみたい車ではあります(--;)


お次は・・・ ↓



ホールデン ステーツマン デ ビル(Holden Statesman De Ville)。
一見アメ車っぽい雰囲気ですが、オーストラリアの車だそうです。確かに、上のキャデラックに比べると若干繊細な感じがしないでもないです。

・・・それにしても、奥さんと子供を連れての家族旅行というのは、独り者の僕にとっては憧れの一つです(寒)。


気を取り直して3台目は・・・ ↓



フォード ムスタング グランデ(Ford Mustang Grande)。またまたアメ車です。
同じ頃のニッサンシルビアに雰囲気が似てますね。大きさは全然違います(--;)
個人的にはカッコイイ車だと思います。

その一方で、ムスタングの後ろで存在感を示すオープン型の「はとバス」がナイスです。
「アメリカの奴らに負けてなるものか!」という作者の強い意思が伝わって来るようです。まあ、そんなことは考えてないかもしれませんが・・・(--;)


4台目は・・・ ↓



ジャガー Eタイプ(Jaguar E-Type)。イギリスの車です。
前の大型車3台とは違い、コンパクトなスポーツタイプの車ですね。フロントからリアにかけての曲線的なボディラインが印象的です。直線的で大味な車が続いただけに、ホッとします。

列車が通る背景もイイ感じで、そのまま絵の中に入りたくなります。



・・・ということで、今日は絵本「じょうようしゃ」の前半の4台分を紹介しました。
上の画像では分かりにくいかもしれませんが、どの絵もタッチが非常にすばらしいです。そのままプラモデルのパッケージにも使えそうですよね。


この続きはまた次回(後半)ということで・・・。


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