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2008年07月17日

輪島と4人の王者



こんにちは~。ちょっと停滞が長引いてしまいましたが、一応元気です(--;)
とりあえず、前回に引き続き「炎の男」輪島功一の話題を引っ張ってみます。

くり返しになりますが、ブログのオープニング画像(輪島-柳第2戦)はアメリカのボクシング専門誌「The RING」1994年5月号特別版から引用したものです。

この特別版では大半のページを割いて17階級別オールタイムランキング特集(上画像:特集表紙)を組んでいます。
1994年当時、オーランド・カニザレスやバージル・ヒル、ジャンフランコ・ロッシ等、各階級のチャンピオンがこれまでの防衛回数や在位期間の記録を次々と更新していました。
しかし、リング誌はこのような状況に対して異論を唱えました。それは、過去と現在では記録の意味合いがまったく違うからです。
もともとプロボクシングは1つの団体で8階級しかなかったものが、1994年時点では主要3団体17階級(現在は主要4団体!)にまで激増しました。ということは、王者の数も8人から51人(現在は68人以上!)に増えたことになります。そうなると、相対的に王者と対戦相手の質が落ちる傾向にあるわけで、いくら雑魚相手に数字上の記録を作ったとしても歴史的価値はそれほど高くないと言えます。

そこで、この特集では「各階級、これまで出現したボクサーの中で本当に強いのは誰なのか?」という問いに対して、リング誌なりの興味深い回答(ランク付け)を行っています。

ではさっそく17階級別オールタイムランキング特集でのジュニアミドル級のページ(下画像)を見てみましょう。



・・・ということで、ジュニアミドル級オールタイムランキングは、
No.1 Thomas Hearns(トーマス・ハーンズ)、No.2 Mike McCallum(マイク・マッカラム)、No.3 Koichi Wajima(コーイチ・ワジマ)、No.4 Wilfred Benitez(ウィルフレッド・ベニテス)、No.5 Julian Jackson(ジュリアン・ジャクソン)

この豪華メンバーの中に、意外にも(失礼)輪島功一の名が・・・。

この5人の中で、輪島以外は全員黒人で、輪島以外は全員一発必倒の強打の持ち主で、輪島以外は全員1980年代の王者で、輪島以外は全員複数階級王者で、輪島以外は全員殿堂入りの名王者です。
つまり、輪島以外は(--;)、全員世界的に認められた超一流王者です。このメンバーの中に割って入るというのは、ハッキリ言ってスゴイことです。
もしかすると、地域や年代を考慮して輪島を選出した可能性はありますが、それでもランキングに顔を出すということは、輪島が並大抵のボクサーではないことを証明しています。

多分、当時のアメリカ人読者も「この人誰?」と思ったハズですが、特集記事では輪島の偉大な足跡について文章でキッチリフォローされていました。
この特集では日本や韓国、タイ、フィリピン等のボクサーが何人か紹介されています。特にアメリカで忘れ去られることの多いアジア圏の世界王者を世界中のボクシングファンに知ってもらう良い機会になったと思います。


それでは、この5人の偉大な世界王者を1位から順にご紹介します。本来ならば各人それぞれの個別記事が書けるほどの大ボクサーですが、今回は5人まとめて行ってみます。YouTube動画も併せてご覧ください。

まずは第1位のトーマス・ハーンズ。
言わずと知れた80年代中量級のスーパースターの一人です。手足が非常に長く、「ヒットマン」の異名どおりロングレンジからの見えない左右強打は破壊力抜群。左腕をダラリと下げた構えから高速のジャブを連発し、ロングレンジで相手を翻弄する姿はデトロイトスタイルと呼ばれ一世を風靡しました。
通算成績は67戦61勝(48KO)5敗1分で、最終的に5階級(ウェルター、ジュニアミドル、ミドル、スーパーミドル、ライトヘビー)を制しました。
ジュニアミドル級では、あの「石の拳」ロベルト・デュランを2ラウンドで粉砕した試合がベストだと思います。
・・・ということで、YouTube動画に行ってみましょう。ハーンズのモノ凄さを9分あまりのダイジェスト映像でご確認ください。背筋が凍るKOシーンはもちろんですが、それ以上に、相手をカエル同然にするスルド~~~イ視線がメチャクチャ怖くて、メチャクチャカッコイイです。

「Thomas Hearns highlight」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=9VCcxfzHxGQ&feature=related



次は、第2位のマイク・マッカラム。
80年代中盤から90年代にかけて活躍したジャマイカの強打者です。ビッグネームとの対戦が少ないため過小評価されがちですが、対戦相手はいずれもかなりの強豪です。天性の打たれ強さと勝負強さで長きに渡り王座に君臨しました。ここ一番でのスピードやパンチのキレがすばらしいです。
通算成績は55戦49勝(36KO)5敗1分で、3階級制覇王者(ジュニアミドル、ミドル、ライトヘビー)です。キャリア終盤でロイ・ジョーンズJr.やジェームス・トニー等の次世代の超一流王者に健闘して評価を上げました。
ジュニアミドル級では、ジュリアン・ジャクソン、ミルトン・マクローリー、ドナルド・カリーという実力者の挑戦を次々と退けています。
それではYouTube動画を見てみましょう。ウェルター級統一王者で後の2階級制覇王者ドナルド・カリーとの一戦、衝撃の第5ラウンドをどうぞ。

「McCALLUM VS CURRY」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=AFYKe0CxmqA&feature=related



さてさて、第3位は輪島功一ですね。
前回記事でも紹介したとおり、輪島は1970年代前半から中盤にかけて活躍した変則ファイターです。リング誌では、その独特の動きを「クラウチング・プレッシャースタイル」と表現しています。さすがに例の奇策「カエル飛び」の記述はありませんでしたが・・・(--;)
あと、輪島についてもう一つ特筆すべきことは、25歳までまったくボクシングに関わってなかったことです。引退する選手さえ多い年齢なのに、その歳からボクシングを始めて世界王者にまで上り詰めたとはスゴイの一言。このこともリング誌の記事に明記されていました。
また、これもくり返しですが通算成績は38戦31勝(25KO)6敗1分です。幼い頃から漁で鍛え上げられた頑強な肉体で勝ち星を積み上げました。
ランク入りした5人の中では唯一純粋にジュニアミドル級のみの戦績で評価されています。これは非常に価値のあることだと思います。
ここでYouTube動画ですが、今回は世界王座獲得後のノンタイトル戦として行われたカシアス内藤戦を見てみましょう。カシアス内藤はアリスの名曲「チャンピオン」のモデルになったボクサーです。お互いの意地と意地がぶつかる荒れた試合になりました。

「輪島功一vsカシアス内藤」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=CxMKtwfh1js



第4位、ウィルフレッド・ベニテス。
1977年に17歳で史上最年少世界王者となり、5年後の22歳にこれまた史上最年少の3階級制覇王者となったプエルトリコの天才ボクサーで、ハイセンスな技巧派王者です。
ですが、いくら技巧派と言っても意外な強打を併せ持っていて、通算成績は62戦53勝(31KO)8敗1分で、KO率も5割に達しています。制覇した3階級の内訳は、ジュニアウェルター、ウェルター、ジュニアミドルです。
ベニテスの場合、防衛回数は少ないのですが、対戦相手が非常に豪華。王座を奪取した相手がアントニオ・セルバンテス、カルロス・パロミノ、モーリス・ホープという実力王者で、80年代のスター王者レナードデュラン、ハーンズとの対戦もあります。
それではYouTube動画を見てみましょう。ジュニアミドル級タイトルを奪取したモーリス・ホープとの一戦(第12ラウンド)をどうぞ。これもスゴイ。

「Wilfredo Benitez KO Hope」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=oNvSfmtTeDA



最後に、第5位のジュリアン・ジャクソン。
80年代後半から90年代前半にかけて活躍したアメリカ領バージン諸島の強打者です。どんなに劣勢でも一発で試合をひっくり返すほどの破格の必殺パンチを持っています。5位という順位が低く感じます(--;)
驚異の通算成績は61戦55勝(49KO)6敗で、何と言ってもこのKO率の高さはスゴイ。2階級(ジュニアミドル、ミドル)を制覇しました。
ジュニアミドル級では、後のパウンド・フォー・パウンド最強王者テリー・ノリスを2ラウンドで眠らせた星が光ります。
・・・ということで、YouTube動画でジャクソンの戦慄の強打をご確認ください。これもダイジェスト版です。倒された相手がピクリとも動きません(--;) 
ですが、背筋が凍るような試合内容とは裏腹に、素顔の本人は意外とナイスガイ。ウイニングショットを決めた後、右腕を相手に向かって振りかざす「goodnight!(おやすみ~!)」のポーズも個人的には憎めません(^^;)

「Julian Jackson Highlight」
URL: http://jp.youtube.com/watch?v=uNXWYM-L2LA



いかがでしたか? 5人ともか~な~り強そうですよね~。
現在、ジュニアミドル級(スーパーウェルター級)のタイトルは、日本人にとって遥か雲の上の存在になっています。
改めて輪島功一の偉大さを実感しました。


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